arT’vel -Review- : art × Travel/旅×アート レビュー

ライターKababon(旅行、旅行業、舞台芸術);旅と舞台(主にバレエ、音楽)についての覚え書き

新国立劇場バレエ「こうもり」:ヨハン・シュトラウスの力か……

「こうもり」。
ローラン・プティ振り付けの新国立劇場バレエ団公演。
この作品自体が初見です。
っていうか、めったにやらない演目なので見に行ったわけですが。
シュトラウスの音楽に思いっきり楽しませてもらいました。
……というと身もフタもない??
バレエですがウィンナワルツでありました。

主演が草刈民代、ヨハンが山本隆之。
ウルリッツ役が怪我で小島直也という久々にメインキャストがオールジャパニーズという舞台でした。
草刈民代自体も非常に久々です。

お話は大人のコメディ。
オーストリア・ハンガリー帝国の大都市で暮らすブルジョワ夫婦の倦怠期がテーマ。
夜な夜なコウモリに変身してカフェや仮面舞踏会で遊ぶ夫を繋ぎとめようとする妻。
夫の友人の入れ知恵で妻自らもジプシーや踊り子に変身して、妻とは気付かぬ夫を虜にし、最後はめでたくハッピーエンド、という筋立て。
いわずと知れたオペラで有名なお話ですが、バレエ用に脚色してあります。

で。
倦怠期夫婦の妻が草刈民代で、夫が山本隆之。
なんつーか、思いッ切り年上女房に飽きた若いツバメって感じの夫婦です(^_^;)
草刈民代、良くも悪くも踊りがふてぶてしくなってないか??

日本のバレエというアート、カルチャーの底上げを図るには男性ダンサーのレベルアップが必須なんですが。
やっぱり個人個人のスキルは上手くても、線が細いですね。
「夫」というよりはどうみても「ツバメ」。
うーむ……(-"-;)
草刈民代のカンロクがありすぎたのか??

ローラン・プティテイストは十分に分かるものなのですが。
ひょっとして、この演目はウィーンもしくはオーストリアハンガリーのバレエ団で見たらもっと楽しめるかも。
「会議が踊ってしまう」快楽主義的えぴきゅりあ~ん、なウィーンっ子気質とウィンナワルツは、やっぱり本場の技で見たいと思ってもしまいます。