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ライターKababon(旅行、旅行業、舞台芸術);旅と舞台(主にバレエ、音楽)についての覚え書き

ミャンマーのデモ:なんか心配です

8日連続反軍政デモ ヤンゴンで8万人

地味に気にしていたニュースです。
連日デモは続き、お坊さんの数は増え続け市民も参加し、スーチーさんも、民主化運動家も出てきました。
裏に中国が絡んでいるのか……とか思っていたら、またアメリカが「制裁」とかなんとか、余計なことをしそうです。

ミャンマーは敬謙な仏教徒の国。
日中40度にもなろうかという中を、人々は祈りを捧げにパゴダに通います。
黄金のパゴダに見守られて、「軍事政権」というイメージとは裏腹に、そこに暮らす人々は本当に穏やかです。
“微笑みの国”というのは隣国・タイのキャッチフレーズですが、ミャンマーにも負けず劣らず素晴らしく、心がほっと休まる「慈しみの微笑み」があります。

なんか懐かしい郷愁に駆られるような、なくした何かを見つけられるような国。
ミャンマーを訪れたとき、本当に心が温まるような想いを感じました。
デジカメ抱えた観光客に絡みつく子供は世界中たくさんいますが、ミャンマーの子たちは本当に屈託ない、優しいいい顔でカメラに収まってくれています。

その「慈しみの微笑み」を産み出す精神文化・ミャンマービルマ)人のアイデンティティの根底をなすものが仏教です。
何より人々の精神的な柱となり、尊敬を集めているお坊さんたちがデモをした。
このニュースだけでもショックでしたが、逆に言えばニュースで言われている「物価の高騰」が、それほどまでに切羽詰ったもの、鬱積した不満・思いに火をつけるに十分だったということでしょうか。

以前、かの国を訪れたときのガイドさんの言葉。
「100以上もの多民族の国です。
それぞれの民族がそれぞれの伝統や風習を持っている。
それをひとつにまとめることは、とても大変で、難しい。
だからミャンマーにはミャンマーのやり方が必要なのです。
アメリカ的な民主主義をこの国に、そのまま当てはめることはできないと思います」

彼女はスーチーさん支持とも軍事政権支持とも、何もいいませんでした。
でも彼女が「ビルマ」という言葉を時折使っていたのが印象的でした。

今、彼女の言葉と姿が思い出されてなりません。
ミャンマーのやり方。
そのひとつがお坊さんが主導で動き始めた「祈りのデモ」なのだとすれば、とてもミャンマーらしいことです。

場違いかもしれませんが、ロシアのプーチン大統領が言った「アメリカ的民主主義は輸出できない」というのは、真理です。
特に多民族・仏教思想などメンタリティも歴史の長さも文化も違う、こうした国々には、やはりその国に合った「民主化」の方法が必要なのではないでしょうか。
諸外国が急速に軍事政権を追い詰めてはいけないような気もします。

ゆっくりと時が流れるこの国が、静かに、動いています。
スーチーさんが帰国し、軟禁されもう何年が過ぎたでしょうか。
ミャンマー的なゆっくりとした時間の流れにふさわしい、でも国民の叫びです。

アメリカ、今回ばかりはしゃしゃり出るなと言いたいです。
願わくば、彼らのやり方で平和的解決……できればいいのですが。