arT’vel -Review- : art × Travel/旅×アート レビュー

ライターKababon(旅行、旅行業、舞台芸術);旅と舞台(主にバレエ、音楽)についての覚え書き

ウィーン(6)音楽の家:さすが音楽の都!

ずいぶんと間が空いてしまいました(^_^;)
GW前の修羅場、ちょっと一息モードなのでウィーンの続きを。
やっぱりこれだけは書いておかないと、という音楽の話題が2つあります。
「さすが音楽の都!」と感心させられた「音楽の家(Haus der Musik)」と、2009年に没後200周年を迎えるハイドン先生の話題です。

今回はまず「音楽の家」をば。


この「音楽の家」はウィーン・フィルハーモニーのバーチャル指揮が体験できるところとして人気です。
またウィーン・フィルの博物館、ウィーンを代表する音楽家とその歴史、「音とは何か」を体感し、また自分で「音」を作って「楽しむ」というコーナーもある博物館です。
いやぁ、「音」を「楽しむ」→「音楽」とはよく言ったものだ、と日本語のすごさまで実感してしまいます(^_^;)

建物はいろいろ改築はされていますが、もとは16世紀の宮殿。
1842年にウィーン・フィルを創立したオットー・ニコライが住んだこともあり、非常に由緒あるところです。
要は世界に名だたる管弦楽団発祥の地とも言えるわけです。

ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団博物館」のコーナーは、オットー・ニコライやウィーン・フィルの歴史についての展示。
ウィーン・フィルニューイヤーコンサートのVTRも見られます。

「すごい!」と思ったのが「偉大なる作曲家たち」のコーナー。

ハイドンから始まり、モーツァルト、ベートーベン、シューベルトシュトラウスワーグナー、ベルク、シェーンベルク…とまぁ、次から次へとよくもこれだけ…と感心させられます。
展示も、楽譜、楽器、手紙はもちろん、モーツァルトが本当はどんな顔をしていたのか、という復元写真や、引っ越し魔・ベートーベンが住んだ72の居住地すべてを記した地図など、結構マニアックで、かつウィーンらしい陽気な遊び心も感じられて面白いんですね。
かと思うと、耳を患っていたベートーベンが、病気の進行とともにどれだけ聞こえなくなって行ったか…を実際に聴いてみる展示もあるのです。
ちょっと泣けます…(T_T)

ウィーンで活躍した著名な作曲家たちを年代順に追うことでウィーン音楽史までわかってしまうというスグレモノ。
また、ウィーンが改めて「音楽の都であるのだなぁ」と実感させられます。

そしていよいよ「バーチャル・コンダクター」へ。

ウィーン・フィルが演奏するスクリーンに向かって、特殊な指揮棒を振るものです。
音楽は「美しき青きドナウ」「ラデツキー行進曲」など5曲ほど。
好きなものを選んでいざ、演奏開始…!


でもこれ、下手に振ると楽団員が次々と退出し、ブーイングされてしまううえ、コンサートマスターに「君はこの曲を知らんのかね!?」と怒られます(^_^;)

その代り、完走すると拍手の嵐。
楽団員も拍手してくれます。
ハラハラドキドキです。
オペラ好きの同行の氏は「青きドナウ」を完走しました!
すごい!

完走のコツは「タメを利かせず、素直に振ること」だそうですよ。
ちなみに私は怒られました(´・ω・`)ショボーン

盛り上がった後は「音の展示」「音を作る」コーナー。
単に音を作って楽しむという意味合いもありますが、こうしてウィーン・フィルや偉大な音楽家の足跡を見てから来ると、そしてフォルクス・オパーでオペレッタを楽しむ人たちを思い起こすと、この街では偉大な作曲家の方々、彼らが作った音楽は「ウィーン」という街の歴史、市民の生活の一部として、とても身近にあるものなのだということを感じます。

とにかく。
いろいろ楽しんで見ていくうちに、あっという間に時間が過ぎます。
好きな人なら半日はじっくり楽しめますよ。
ハイドン先生はまた後ほど。