arT’vel -Review- : art × Travel/旅×アート レビュー

ライターKababon(旅行、旅行業、舞台芸術);旅と舞台(主にバレエ、音楽)についての覚え書き

タイ・バンコク:出張延期と早期回復祈願

連日報道されているタイのバンコク
実は出張予定があったのですが、さすがに延期となりました。
まあ、この現状なら致し方なしというか、先方さんも英断だったと思います。
メディア呼んで、焼けたセントラルワールドの写真撮られたり、夜間外出禁止令の実情をレポートされてもしょうがないでしょう、これ以上。
逆に「リカバリーにこれだけやってる」ということを見せた方がいいというものです。

でもTVで焼けたセントラルワールドの映像見たときは本当に愕然としました。
例えて言うなら、ちょっと旅行に出かけている間に地元の駅ビルが火事になって、帰ってきたら焼け跡になってたって、そんな感じでしょうか。
バンコクに行ったら、空き時間をついてセントラルワールドのショッピングモールと隣りの伊勢丹で土産を購入し、その向かいに建つビッグCでラーメンとかスープの素とかナムプラー、お茶、サニタリグッズ(笑)とかの生活雑貨を買いこんで帰ってくるというのがいつものパターンだったので、なんだか切なくなります。

タイ人の友人からも「夜間外出禁止令を体験するとは思わなかった」「BTSが止まって仕事が不便」というメールが入ってて、どうなることかと心配していましたが。

じょじょに復活の兆し?
ゲイソン・プラザも営業再開しているし、セントラル・ワールドも半年くらいで再開できそうだとの情報を先ほどGET。
早期復活を切に願ってやみません。
でないと仕事→生活に影響するぅ~ってか、もうしてるんだけど…(切実)。・゚・(ノД`)・゚・。
本当に最近はこればっかりだ…。

でも、今回の事件を見ているとドストエフスキーの「農民が意地を通したのさ」というあの、カラマーゾフの一文を思い出します。
「所詮貴族だ」「所詮搾取側だ」という困窮農民の“意地”が、無実のドミトリーのシベリア送りの決め手となったという時のワンフレーズですが。
結局バンコクと農村部の格差が非常に大きいというのが、問題なんでしょうね。
これは行けば分かることで、本当にその格差はすさまじい。

日本から見れば「古き良き時代の農村がそこにある」とよく言われるタイの田舎ですが、以前イサーンの農村でのホームステイを取材した際に、実際に東北地方の「古き良き時代の日本の風景」と言われるお宅に泊めていただいたのですが、やっぱり住むのと見るのとは違うという印象を強く持ちました。
イマドキの若い人なんか絶対耐えられないと思う。
すごい異文化体験だったわさ。

だもの、農村部の人がTVを通して見る都市部の生活は多分異世界です。
だからそうした不満をタクシンは本当にうまくつかんでいる。
長年の経済成長で溜まったタイの「膿」のようなものが噴出している…というか、上手く利用されているのかなぁという印象です。

まあ一朝一夕に片付く問題ではないと思いますが、でもせめて普通に観光できる、あのけだるいエネルギー溢れるバンコクに戻ってほしいなぁと切に、切に願います。
でも出張ペンディングの結果6月にずれ込むならそれはラッキー。
なんせマンゴスチンが旬になりますゆえにね(*^_^*)