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ライターKababon(旅行、旅行業、舞台芸術);旅と舞台(主にバレエ、音楽)についての覚え書き

モネ展:「自然を捉える」大いなる挑戦はかっこいい

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モネ展が始まっています。 http://www.ntv.co.jp/monet/

今回の目玉は「印象、日の出」。 「印象派」という言葉の元となった作品です。

そしてコレクションはマルモッタン・モネ美術館から。

この美術館のコレクションはモネが亡くなるまで自宅に飾ってあった絵を所蔵していることで、今回来る作品はつまり、モネが生涯手放さなかった作品、ということになります。 いわば「巨匠のお気に入り」です。

ですからモネ自身の絵だけでなく、ルノワールが描いたモネ夫妻の肖像やロダンの彫刻、ドラクロワの作品や師と仰いだブーダンの素描なども展示されています。 展示作品をセレクトしたマルモッタン・モネ美術館のコミッショナー、マリアンヌ・マチュー女史曰く「モネの自宅を訪れるように見ていただきたい」ということですが、まさにそんな感じです。

また「印象、日の出」はもとより、モネの作品も「睡蓮」やジヴェルニーの庭に作った「日本橋」の連作などがあります。 同じ構図で、しかし日時を変えてそれが何枚もあるのがすごい。 「睡蓮」だけでも20数点あり、巨匠が光や水の移ろい、輝きを捉えることにどれだけ心血を注いだか、執念を燃やしたかがわかります。

たとえば作品「小舟」。 池に浮かんだボートと水中の水草を描いた作品ですが、水中で揺れる水草の揺らめきや色彩を捉えようとしたあまり、もう画布は水草で埋まっている。 熱いです。 モネ先生、熱い。

野外で絵を描き、その大いなる自然のその姿を捉えようとする熱意。 あるいは執着といってもいいかもしれません。

これは考えてみればすさまじい挑戦で、まさに天に挑もうかとするくらいの大いなる戦いともいえるかもしれません。

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また晩年、白内障に苦しんだ頃のモネの絵がまた鬼気迫るものがあります。 もちろん理由は白内障だけではないとは展示説明にも書いてありましたが、印象派からなにやら象徴派というか抽象画のようなテイストまで見られる。 「印象」を突き詰め極めていったら「抽象」になるのかもしれませんし、なるほど、とうなずけるものがあります。 不思議な説得力です。

オフィシャルキャラクターに田辺誠一が「かっこいいモネ」なる絵を描かれているんですが、キャラはカールおじさんをどうしたって連想しますが「かっこいいモネ」には妙に納得します。

一つのものを突き詰める、画家として自然を捉えるという一つのテーマを追求し続けたモネは、やっぱりかっこいいですね。

f:id:artravel:20180923112111j:plain 日本の浮世絵に影響を受けたモネが日本を訪れバカンスを楽しみながら富士山を描く之図、だそうです。

「印象、日の出」は10月18日までの展示ですのでお見逃しなきよう。 10月20日からは「サン・ラザール駅」が代わって登場します。

ちなみにマルモッタン・モネ美術館は当時無名だった「印象派」の作品を収集していたジョルジュ・ド・ベリオ氏のコレクションが先にあり、その後、モネの息子が亡くなる際にモネ宅のコレクションを譲り受け「マルモッタン・モネ美術館」となりました。 今回はモネ中心ですが、先見の明と鑑識眼で集められた「印象派」の先駆けとなるコレクションを見に行くのもいいかもしれません。

◆マルモッタン・モネ美術館 http://www.marmottan.fr/