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ライターKababon(旅行、旅行業、舞台芸術);旅と舞台(主にバレエ、音楽)についての覚え書き

新国立劇場バレエ「ペンギンカフェ」(3):セカンドキャストとファーストキャストB

5月3日、新国立劇場バレエ「ペンギン・カフェ」のセカンドキャスト、そして4日楽日、ファーストキャスト(勝手に)Bを見てきました。
ファーストキャスト(勝手に)Bはこの日だけペンギンカフェのノミ役が五月女さんだったんですね。
結局全キャストコンプしてしまったわー(^_^;)
またやっぱりあの愛すべきペンギンたちにいつ会えるのか…というのもありましたし。

 


それはともかく、セカンドキャストは、ファーストキャストとはまた違う味わいがありました。
特にペンギンカフェとE=mc2。

シンフォニー・イン・Cは久々の川村真樹さん、美しいし優雅でダイナミック。
存在感のある人ですね、いろいろと。
インCは総合的にはファーストキャストのほうが良かったなと思うのですが、でもインCのプリンシパルペア、コリフェペア×2が4組、さらにこれを2キャスト組めるというのは、やはりすごいことなのだろうな。

E=mc2はインC共々、厚木さんがすばらしかった。
特にマンハッタン計画のパートは、優雅さをどこか併せ持つ湯川さんとは全く違った味わい。
怖かったです。
とにかく表情が女性…というよりは、ユニセックスのような、男とも女ともつかない不思議な表情で、怖く、切ない。
あの表情で扇を抱きしめるシーンはもう胸にジンときました。
すごい地の底からわき出てくるような迫力すら感じました。

またやっぱり、私はあの「質量」のゆったりした踊りが好きだなぁとも再認識。
宇宙空間を漂っているような、質量といいながら重さがあるのかないのかわからない、不思議な感覚がいいです。
なんか心地よい。

「ペンギン」はセカンドキャストは3日が最終日とあってか、みんなノリノリ。
お話としてのまとまりは、やはりファーストキャストの方がうるうるとくるものがあったのですが、元気な井倉ペンギンはその元気さがかえって最後のシーンとのコントラストをいっそう濃くするようで切なくなりました。

米沢ヒツジはまるで舞踏会デビューのお嬢さんのように初々しい。
彼女は被っていても彼女なりの味わいがあっていい。
湯川さんのオトナの魅力と正反対のかわいらしさで、とても米沢さんらしい、唯ちゃんヒツジでした。

福田君のネズミは、八幡さん共々二度目だけあって、安定のネズミ。
そういやE=mc2の光のペアは、ネズミ&ノミのペアだったと思ったり。

そのノミですが、セカンドキャストの竹田さん、ファーストBの五月女さんともども、小さくてかわいかった!
はつらつとして、元気にぴょんぴょんはねてて、もう見ているだけで顔がほころんでしまう。
五月女さんは千秋楽、インCのコリフェ、E=mc2の光と、3つ連続の登場。
彼女を最初に意識して見たのは多分米沢&厚地が「くるみ割り」を踊った時のクララ役だったと思うのですが、すごく個性と存在感が強くなったように思います。
今回の公演で自分は五月女さんみたいなタイプは結構好きだとも認識。
今後が楽しみです。

シマウマはセカンドは古川さん。
どうもあの爆笑トーク動画でシマウマ仮面というかゼブラーマンというか、覆面レスラーのようなイメージが非常に強かった筋肉むっちりの古川さんですが、あの人の着痩せっぷりは神業!?
インCもそうだったんですが、あんなにムキムキ筋肉なのに、なんで普通に衣装を着るとあんなにすっきり見えるんでしょうね。
しかも柔軟性とかヨガのポーズみたいなのが得意とか、不思議です。
独特のキャラです。
そしてさすが古川さん、存在感のあるシマウマでした。

熱帯雨林に小野&山本。
小野さんのクールさがかえって静かな情感を持って迫ってきます。
目力バレエですよね、これは。

お猿の厚地さん、足の長いお猿~。
背が高いので、レインのシーンでノミの竹田さんと組むと、大人と子供のようにも見えます。

個人的には、演技力もある厚地さん、実は熱帯雨林のお父さんでも見たいなぁと、密かに思っていたのですが(でもあとで新国さんのブログを見たら、本人はシマウマにも心を寄せているようで)。
でもお猿のサンバも福岡君とはまた違ったテイストで、ノリノリで楽しいし踊りは大きいしOK。
そしてやっぱり、レインに入る間が絶妙でした。
この人も米沢さん共々、すっと役に入れるというのか、一種なりきり系のところがあると思っているのですが、だからこの2人のペアは面白いのかも。
あの2人の、不思議なジゼルは本当に感動的でした。
米沢&厚地で「マノン」なんて観たいと思ったり。

脱線しましたが、ともかくセカンドキャストのみなさんはカテコも役になりきってノリノリで、いろいろサービスパフォーマンスがあってこれもうれしかったし、楽しかったです。
山本さんが子役を肩車してでてきたときはいろんな意味でびっくり(笑)
こういうこともできる人なんだー。

そしてやはり書いておきたい、最後を締める、楽日、さいとうさんのペンギン。

これは本当に心も思いも、「さいとう美帆」のすべてが入りきっていたような、すばらしいペンギン…もとい、オオウミガラスでした。
最後に取り残され、暗闇の中でたった1羽でくるくる踊るシーンが、本当に切ない。
踊っているうちに、衣装は確かにペンギンなのに、オオウミガラスの姿にだぶって見えました。
叫び…というより、悲痛な心の声まで聞こえてくるようで、本当に哀しすぎる…。
人間のエゴで棍棒で殴り殺され絶滅したペンギンの祖先、オオウミガラス…。
人を恐れることをしなかった動物の悲劇…。
さいとうさん、ブラボーです(T_T)

というわけで、たっぷり楽しんだペンギンカフェ。
このあと静岡、御殿場でも公演があるので、お近くの方はぜひ!
ペンギンたちともども、新国のすばらしさをぜひ観ていただきたいなぁと思います。

事前に出演者がそれぞれの役を語った爆笑リレートーク@ペンギンカフェ(→こちらでまとめてます)も必見です(笑)

東京での次の公演は6月のドン・キホーテ
4日間で全部キャストが違い、しかもこれまでのペアからシャッフル&バラ売りされているという、「ヤラレター」な日程です。
つまりどの日も見応えあるということですな。
乞うご期待!(笑)