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ライターKababon(旅行、旅行業、舞台芸術);旅と舞台(主にバレエ、音楽)についての覚え書き

ザルツブルク2016(4):農民と動物の聖人が守るザンクト・レオンハルトの村で

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ザルツブルクから田舎の小さな村ザンクト・レオンハルト

ヨーロッパは町も歴史風情があっていいのですが、のどかでかわいらしい田舎の風景も楽しんでみたいですよね。

そこで今回行ってきたのは、ザルツブルクから日帰りで訪れることのできる田舎の村、バス(25番)で30分ほどの郊外にあるザンクト・レオンハルトです。

人口は1000人ほどで、村の名となっている聖レオンハルトは農民と動物たちの守護者なのだそう。 「動物の聖人の村」と聞くと、動物好きはなんだかそれだけでうれしくなってしまいます。

村に着いてまず目に入るのは、聖レオンハルト教会と村の背後に聳えるウンタースベルク山(標高1850m)。 村の中でも一段高いところに建つ教会は、鐘楼の高さは64m。 もちろん村のシンボルです。

またウンタースベルク山は大理石の石切り場として、古くはフランク王国カール大帝シャルルマーニュ/742-814)や、もちろんザルツブルク大司教も宮殿建造のためにこの村から大理石を切り出して行ったのだそう。

さらにこの村のあるグルーディック地方は水の採水地で、実にオーストリアの水の80%をこのグルーディック(Grödig)地方がまかなっているのだとか。 自然が豊かだ、というのがわかる話です。

 

 

 

●山頂からもホーエンザルツブルク城

この村のウンタースベルク山は雪の季節はスキー場になり、それ以外の季節は2~3時間のハイキングが楽しめるところ。 ロープウェイもあるので、手軽に山の上にも登っていけます。 片道はロープウェイで登り、帰りは徒歩で降りてくることもできますし、季節や天候に応じて楽しめます。

山の上からは絶景。

[caption id="attachment_896" align="alignleft" width="450"] 遠くの真ん中あたりにホーエンザルツブルク城が見えます[/caption]

ザルツブルク方面にはやはりホーエンザルツブルク城が見え、あのお城がいかにこの地域のシンボルであり、大司教領としての意識を育んできたのかがわかります。 昔はもっと空気も澄んでいて、見晴らしも一層良かったでしょうから。

 

 

●売り上げはすべて寄付。暖かなクリスマスマーケット

ザンクト・レオンハルトで有名なものの一つが冬のクリスマスマーケットです。 この村のマーケットはすべてボランティアで、売っている品はすべて村の人たちの手作り。 そして売り上げのすべては慈善団体に寄付されるのだそうです。

販売所を覗いてみると、ラベルも値札も村のお母さんたちが書いたんだろうなと思わせられるジャムが並び、ビンのサイズもまちまち。 そういえばこの町でお会いした観光局長が通りすがりの奥さんに「あら、あなたさっきマーケットでパン焼いてなかった?」と言われていたんですが(そして実際に観光局長はボランティアでパンを焼いて売っていたのですが)、それくらいほのぼのと、のんびりとした人情味さえ感じられるマーケットです。

いいにおいを立てて売られているソーセージも手作り。 混ざり気のない田舎の味覚もここでは楽しんでみてください。

またこのクリスマスマーケットの季節のみ、教会の入り口にはクリスマスの人形が飾られます。 生誕の場を描いたこの小さな人形たちは1890年から飾られているもの。 そしてもう一つ、クリストキンドル(子供のキリスト)の人形は1760年からこの教会にあるのだそうです。 アドヴェント待降節/クリスマス前の4週間)の時期だけ飾られる、この時期だけ見られる教会のお宝です。

週末の夕方は地元の人たちによる音楽コンサートも開かれます。 こちらも手作り感いっぱいで、ほっと和むような優しい温かなコンサートです。 村の人たちがこの時期のためにいろいろ準備を重ねてきたのだとか。 アドヴェントは、ことにドイツ語圏では来るべきクリスマスを待ち望む特別感をどこよりも強く感じますが、こうした村の人たちの手作りかつ無償のクリスマスマーケットを見ていると、「富める者も貧しき者も等しく神の誕生を祝わん」という、神の教えの原点たる素朴な農民の生活と祈りの姿なのかなという思いもよぎります。 いや、もちろんそんな哲学的に小難しく考える必要などなく、この温かなお祭りを一緒に楽しみ、優しい気持ちと思い出を持ち帰れれば十分です(笑)

 

ちなみにバスの到着するところにあるホテル・レストラン「Gasthof Schorn」では郷土料理が食べられ、また味も雰囲気も良いお店でした。 こちらもおすすめです。

グルーディック観光局:http://www.groedig.net/en

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