arT’vel -Review- : art × Travel/旅×アート レビュー

ライターKababon(旅行、旅行業、舞台芸術);旅と舞台(主にバレエ、音楽)についての覚え書き

新国立劇場バレエ:チャコット・イベント覚え書き

5月25日、リニューアルオープンのチャコット新宿店で開かれた「新国立劇場ダンサーによるイベント」に行って参りました。見る専で踊らない自分は、でもこんな機会でもないと「あの」チャコットに足を踏み入れることなどほとんどないので、いそいそと出かけて…

三銃士の旅:番外編・銃士たちの時代にあったこと

まさか南アフリカで銃士時代のユグノーの話を聞くなんて思わなかったから、頭が結構大きく振れました、銃士に、また。 銃士脳だからしょうがないわね(笑) 南アフリカのケープタウンから小1時間くらいのところにステレンボッシュという町があります。 ケー…

南アフリカ(1):テーブルマウンテンにいたぷりちぃな奴

ケープタウンのシンボル、テーブルマウンテンは3億5000万年前の海底が隆起してできた山だそうで。縞々の3億5000万年前の地層が目の前に迫ってくるという、なんとも地球の力と雄大さを感じる山です。運が良ければ登れる山に、今回は予定通り一発で登れたのは…

新国立劇場バレエ「ペンギンカフェ」(3):セカンドキャストとファーストキャストB

5月3日、新国立劇場バレエ「ペンギン・カフェ」のセカンドキャスト、そして4日楽日、ファーストキャスト(勝手に)Bを見てきました。ファーストキャスト(勝手に)Bはこの日だけペンギンカフェのノミ役が五月女さんだったんですね。結局全キャストコンプして…

新国立劇場バレエ「ペンギンカフェ」(2):バレエのテーマは無限にて

4月28日「ペンギンカフェ」初日の続きを。実にバレエのテーマというのは無限です。ラブロマンスもあれば、悲劇もあるし、家族の話もある。環境問題も、社会的なメッセージを投げかけることもできる。「バレエのテーマはこうあるべき」「ラブロマンスじゃなき…

新国立劇場バレエ「ペンギンカフェ」(1):オオウミガラスの見た夢…

4月28日、新国立劇場バレエ「ペンギンカフェ」の初日、ファーストキャストを観てまいりました。(新国特設サイト→http://www.atre.jp/13penguin/)バランシンの傑作の一つ「シンフォニー・イン・C」、ビントレー監督の日本初演となる「E=mc2」、そして再演…

新国立劇場「ペンギン・カフェ」:ゲネプロ、ネタバレしない程度に

「ペンギン・カフェ」のゲネプロを見てきました。オケさんも指揮者のマーフィーさんもラフなシャツで参加されてて、本番のようだけど、やっぱりゲネプロ。明日が初日なのでネタバレはしませんけど、とにかく濃ゆいです。濃厚です。シンフォニー・イン・C、日…

新国立劇場バレエ「ジゼル」米沢&厚地組:ただ1日だけのジゼル

2月23日、新国立劇場バレエ、米沢&厚地組のジゼルを見てきました。この日限りのキャストというのが惜しいくらい、渾身の演技を見せていただきました。個人的な趣味は横に置いても、この2人は息は合ってるし、また並んだときの身長差もすごくいい。もっとい…

新国立劇場バレエ「ジゼル」ゲスト組:魂は静かに、昇華する

2月20日、新国立劇場バレエ「ジゼル」、ゲスト組を見てまいりました。ジゼルがチェコ人のダリア・クレメントヴァ、アルベルトがロシア人のワディム・ムンタギロフで、2人ともイングリッシュ・ナショナル・バレエで踊っています。2人とも昨年、「コジョカル・…

新国立劇場「ジゼル」初日:新国的ドラマチック・ジゼル

2月17日、新国立劇場「ジゼル」初日を見てまいりました。新国でのジゼルは実に7年ぶり。ある意味今回は初見のつもりで見てきましたし、また楽しめました。アルブレヒトをアルベルト、ヒラリオンをハンスとするこのバージョンは、ドラマ性に重点を置いたプロ…

新国立劇場バレエ「ダイナミック・ダンス!」(2):新国バレエはまだ進化できる

今回の「ダイナミック・ダンス!」はそれぞれ個性の違う3種の演目が踊られる、しかも3.11の大震災で公演延期となった舞台です。3つの作品の共通テーマは「アメリカ」。1つ目の「コンチェルト・バロッコ」、NYCBを創設したバランシンの作品で、音楽はバッハの…

新国立劇場バレエ「ダイナミック・ダンス!」(1):人は限界を超えられる

とにかく素晴らしい感動をいただきました、ダイナミック・ダンス。1月26日ソワレ(セカンドキャスト)、自分的には初日24日(ファーストキャスト)に続く2回目の観賞となる「イン・ジ・アッパー・ルーム」でしたがもう、圧巻!どんだけパワフルなの!とてつ…

新国立バレエ「ダイナミック・ダンス!」公開リハーサル:Take Fiveのできるまで

1月21日、新国立劇場バレエ「ダイナミック・ダンス!」の公開リハーサルに行ってきました。募集は劇場のHPで行っており抽選などはなく、入場料に当たるものは東日本震災基金「絆」への寄付金500円のみ。新国さん、こうした催しは寄付が入場料でもいいですか…

新国立劇場バレエ「シンデレラ」:デフォルトと萌え系少女漫画

新国立劇場バレエ、12月15日の小野&福岡組、16日の米沢&厚地組のシンデレラを見てきました。どちらもそれぞれに味わいがあって、非常に楽しい、また美しい舞台でした。総じてやっぱり新国バレエはクオリティ高いです。コールドはマリインスキーに遜色ない…

新国立劇場「シルヴィア」千秋楽:天晴れ、新国

新国立劇場「シルヴィア」最終日を観てきました。結局全キャストを観ましたが、本当にどれも質の高い素晴らしい舞台で、実に楽しい1週間でした。英国的な笑い&芝居のセンスに、すさまじい、鬼だのドSだのといわれる振り付けをものともせずにきっちり踊りこ…

新国立劇場バレエ「シルヴィア」ゲスト組:「永遠のハンター」オライオンと「シルヴィア」なアミンタ

10月31日新国立劇場バレエ「シルヴィア」、ゲストの佐久間奈緒&ツァオ・チー組を見てきました。初日の小野&福岡組では見え切れなかったものとかが見えて、実に堪能しましたよ。というか、もちろんシルヴィアとアミンタの話ではあるんだけど、「オライオン…

新国立劇場「シルヴィア」:ビントレー時代の「積み重ね」のかたち

エロスは矢を放った!シルヴィアはメロメロになった。エロスは矢を放った!アミンタはメロメロになった。ダイアナの攻撃!アミンタは目が見えなくなった。それでもアミンタは踊っている。だがアミンタは倒れた。オライオンは逃げ出した!シルヴィアは連れ去…

Photo:オーシュの町とダルタニャン像

南フランス、ガスコーニュ地方の首都、オーシュの町の写真。ダルタニャン像や教会、町の写真など。「三銃士」でお馴染のダルタニャンは実在のモデルの名はシャルル・ド・バッツ・ド・カステルモール・ダルタニャン。オーシュ近郊のルピアック村の生まれです。

三銃士の旅:ベアルン銃士隊の郷

ダルタニャンの故郷ガスコーニュを離れて、アトス・ポルトス・アラミスとトレヴィル隊長の故郷、ベアルン地方にはいってます。ポーの街を拠点に、ベアルン銃士隊の郷巡り。ブルボン朝の祖、アンリ4世縁のポーのお城。実は中世にこのお城にいた太陽王子ガスト…

三銃士の旅:2012ダルタニャン祭り(1)

ダル祭りの旅、とりあえずしばらく簡易版で。旅程としては2日目のオーシュです。今回の旅の同行者は全員大阪発。私一人だけ羽田いうか東京発ゆえに、深夜発便で一足先にトゥールーズに到着。大阪組が到着するまで20年ぶり近いトゥールーズ観光を楽しませてい…

新国立劇場バレエ「マノン」:“行間”の見えるドラマに拍手を

7月1日の新国立劇場バレエ「マノン」を観てきました。今回の主演は小野&福岡組で、このペアの演技が素晴らしかったです。小野さんの化けっぷりがスゴイ!清楚なイメージのある彼女ですが、小悪魔マノンを見事に表現してくれた。小野絢子…こわい子…!ただ、…

新国立劇場バレエ「マノン」:勇者・マクミランと白マノン

6月24日の新国立劇場バレエ「マノン」を観てきました。主演はゲストのヒューストン・バレエ団から来たサラ・ウェッブ&マイケル・コナー。聞いたことない、取り立てて超有名という感じではない、おそらく初めて名前を聞く人も多いであろうダンサーで、どうし…

エドモントン&カルガリー(1):巨大なカナダ ~街ができるまで200年~

エドモントンからカルガリーへ。すでにエドモントンの日程を終了してカルガリーに入っています。何度も来てるカナダですが、つくづく巨大さを感じる国です。およそ日本の感覚では、まず想像がつかない巨大さ。bigという単語じゃ表現しきれない。huge…なんだ…

Axle三銃士「仮面の男」(3):「銃士物」であって「銃士物」でない ~あの日と共に思うこと~

さて、引き続きAxleの三銃士「仮面の男」。「三銃士」とくれば「キャラ萌え」に走る自分が、何時まで経っても作品を、舞台をかみしめている。

Axle三銃士「仮面の男」(2):モリエールの「普遍」とアラミスの衣

引き続きAxleの三銃士「仮面の男」。あまりに深くて、思うところや考えるところ、余韻がありすぎる。多分、きっと私はこういう「三銃士」もとい「ダルタニャン物語」が見たかったのだと思う。見たかったものの形のひとつが、この「仮面の男」だったというべ…

Axle 三銃士「仮面の男」:「ダルタニャン物語」昇華の一つの形

3月10日、劇団Axle(アクサル)の三銃士「仮面の男」マチソワを見てきた。「三銃士」「ダルタニャン物語」のファンとして出かけていったもので、鑑賞も「銃士ファン」としての視点。

「エオンナガタ」:ありとあらゆるものに境目はなく

シルヴィ・ギエム、ロベール・ルパージュ、ラッセル・マリファントの「エオンナガタ」を観てきました。衣装は、故アレキサンダー・マックイーン。ギエムさん、「ボレロ」日本ツアーお疲れ様でした。まずは、これから出かけて観る方は、事前にネットなどで「…

新国立劇場バレエ「パゴダの王子」:日英折衷の華やかなりし世界

11月6日、新国立劇場バレエ「パゴダの王子」、世界初演の日本のバレエを見てきました。でもこの日は最終日だったのですが(^_^;)ファーストキャストで、主演のさくら姫は小野絢子さん、兄である王子は福岡雄大さんです。振り付けは芸術監督のデヴィッド・ビン…

新国立劇場オープニング・ガラ:なぜか緊張のシーズン開幕

新国立劇場バレエ・オープニング・ガラに行ってきました。毎年チケット取り損ねる人気の公演、今年は運良くチケットサイトでGETできた。文化庁主催の芸術祭オープニングでもあってか、2階中央席に皇太子殿下がいらっしゃってた。そのせいで導線制限されてす…

サイトウキネン2011(1):「中国の不思議な役人」「青髭公の城」「兵士の物語」

松本に来ています。サイトウキネン。超大奮発。でも昨年今年のバレエ&オペラプログラムが「中国の不思議な役人」「青髭公の城」、さらに「兵士の物語」なる実験劇をやると聞いてから、もう来たくて見たくてならなかったですね。てか、サイトウキネンって、…